2004年12月15日

『アシャワンの乙女たち』

牧野修のジュブナイル作品にして、痛快ヒーローアクション小説。

アシャワンの乙女たち
牧野 修

朝日ソノラマ
2004-11
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元ネタは某特撮。話を楽しむのにはあまり関係がないとは言いつつ、「元ネタってなんだろう」と思って読み進めるのも楽しみのうちと思うのでバラさずにおく。

SFマガジンに載った数本の短編や『乙女軍曹ピュセル・アン・フラジャーイル』等と同じ世界観の物語らしいが、今回それを思わせる描写はほとんど出てこない。また、「元ネタ」に関しても、「分かれば分かったことが楽しい」という程度の意味しかなく、元ネタとは独立した作品として、充分楽しむことができる。

あとがきや帯にある「単純明快」の言葉は嘘ではない。太古から続く善と悪の闘争と、善の戦士として選ばれた少女たち。これが単純明快でなくてなんだというのか。そしてその単純さがマコト楽しい。ひたすらワクワクしているうちに読み終わっている、そういう類いの小説。そういう点は『乙女軍曹』も確かにそうだったのだけれど、あっちは結局「物語ることについての物語」という一筋縄では行かない部分があったりして、本書ほど素直に読むことはできなかったような気がする。そもそも僕の個人的な好みからすれば、牧野修の長編は『乙女軍曹』や『王の眠る丘』といった、純然たる「別世界もの」よりも、少しでも現実と地続きな感じのする、本書のようなものの方が好み。短編だとそればっかりでもないのだけど。

『翁戦記』(『忌わしい匣』所収)のファンとしては、今度は少女じゃなくて老人を主人公に、「長編版『翁戦記』」といった趣のものを書いてくれないかなあなんて思わないでもない。

一つだけ不満というか疑問。ネタバレなので白くしておくけど。
校長先生が主人公ないしクワルナフをとっとと片付けちゃおうとしなかったのはなぜでしょう?チャンスはいくらでも作れたように思うのだけど。
posted by けいりん at 09:11| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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