2004年05月20日

例の、ほら、映画化されたっていうアレです。

「国内の小説売り上げ1位だってね」
「そうらしいですね」
「オマエ、読んだ?」
「読んでませんよー(笑)興味ないですし。だいたいタイトルのパクり方がむかつく」
「そうそう、しかも著者、オリジナル知らなかったぽいじゃん」
「そうみたいですね。まあガイナなんかそのまんまパクってますけど」
「あれはいいんだよ。わかってやってるんだから。第一『獣』とっちゃったらせっかくの名タイトルが台無しじゃんか」
「そうっすよね。全く、わかってないっつーか」
「映画化した人や出演者なんかはどの程度知ってるのかね」
「さあ、どうでしょ。本買った人の知ってる度合いも気になりますね」
「まかり間違ってさあ、ハーラン・エリスンの本を間違って買ったのをきっかけにSFファンになる人が増えて、ハヤカワの青背が飛ぶように売れて、絶版関係が軒並み復刊されて、サンリオSF文庫なんかも復活しちゃったりとか・・・」
「いやそれはないでしょう(キッパリ)」
「ダメかなあ。ほら、例のアニメが流行った時、コードウェイナー・スミスとかハーラン・エリスンとか、結構平積みにしてあったじゃん。そののりで売り出しかける書店とかないもんかねえ」
「全然客層が違いますって。あっちはヲタまっしぐらですからね」
「うーん、ダメか」
「しかし何にしても、あれだけ売れるっていうのはスゴイことですよね」
「まあね。半分以上出版社やマスコミの「売り方」の問題って気はするけど」
「いやいや、我々SF者から見ると極めてセンスのない、あのタイトルが良かったのかもしれませんよ」
「あり得る。オレたちみたいなののセンスって世間一般とは必ずしも一致しないからな」
「はっきりいったらどうですか、「世間一般とはかけ離れてる」って」
「いや、そこまでは(笑)。うん、しかしあれだな、もしそうだとすると、オレらにもチャンスがあるってことじゃないか」
「チャンス?」
「ベストセラーを書くチャンスだよ」
「?」
「ニブいなあ。要するに、「名タイトルを極めてセンスのないやり方でパクったタイトル」の小説を書けばいいんだろ」
「そ・そうかなあ」
「さっきお前が言ったんだよ」
「いやそこまでは言っていない気が。まあそれはともかく、例えばどんなのですか?」
「ん? おう、そうだな、例えば・・・『果てしなき流れ』なんてどうだ」
「そのパクリもガイナの二番煎じですね」
「いーんだよ、よりベストセラーに近い感じがするだろうが」
「そうでしょうか」
「そうなの。えーっと、他には・・・『流れよ、我が涙』は?」
「それはまんまダウランドのリュート歌曲のタイトルです。小説の方もパクられ歴長いですしね」
「ダメか。じゃあ、『パーマー・エルドリッチの3つの・・・』とか」
「『3つの』なんなんですか」
「それが気になってつい買ってしまう、とか」
「そもそも作中人物の名前つきのタイトルっていうのはいかがなものかと」
「うーん。じゃあ『時間飛行士にささやかな贈り物をしよう』」
「なんかの標語じゃないんですから」
「『ネズミと龍のゲイ』」
「シャレですか。しかもゲイ小説ですか」
「ゲイ小説だって立派な恋愛小説だ。差別はいかんぞ」
「でもベストセラーになりますかねえ」
「なんなら『ネズミ』を『ミッk・・・』」
「ストップ!それ以上はヤバいです」
「そ・そうか。ならば『果てしなき河よ彼女を返せ』」
「内容丸分かり過ぎですよ」
「『君は無慈悲な夜の女王』」
「・・・SM?」
「『老いたる僕の君への讃歌』」
「気恥ずかし過ぎ」
「『時間的無限』」
「カタい」
「『知性か戦争か』」
「だからシャレはよしなさいって」
「『博士課程綺譚』」
「・・・」
「わかったわかった。『幼年期』は?」
「パクりだってわかってもらえませんよ」
「『鋼鉄』」
「だからもとがわかりませんて」
「『第81Q』」
「なんすかそれ」
「『ペ』」
「そりゃSF者の隠語でしょ」
「『モナリザ・オーヴァ』」
「ええと」
「『ラルフ』」
「・・・」
「『プタヴ』」
「・・・」
「『ユービッ』」
「いーかげんにしてください!」

まあそんなこんなで。
posted by けいりん at 16:54| Comment(2) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 遅い反応で申し訳ありませんが。
 駄目です、そんなセンスある、含みのあるタイトルじゃ駄目なんです! ど真ん中棒玉呆れて打者がつい見送ってしまう「普通やらねえよ」を繰り出さないと駄目なんです!
 こっぱずかしくて純文やSFやファンタジーの皮を被って更に教訓のスパイスまで振らなければ語れなかった衝動をそのまんま晒さなければ駄目なんです。きっと今はそういう周期なんです。トレンディドラマなんです。トレンディドラマにもかの作品にも触れていない私が言うな、と自分でも思いますが。
 でもほんとに昨今の話題作のタイトルは悪い意味での同人臭、「わかる人いるよねこのこだわり!」が鼻について本文を読む気が失せます。
Posted by ぷーたろーねこ at 2004年06月25日 15:00
なるほど。
つまりあれですね。

『人間異常』とか。<だからちがうって。
Posted by けいりん at 2004年06月29日 09:00
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