2004年07月05日

黒い仏

アレだと言う話を聞いて読んだ一冊。
やー、楽しめました。
アレだということを言ったらネタバレじゃんと言う話もあるので一応伏せておきますが、いやなんの、アレでミステリ、といえば(たぶん)初の国産オリジナル作品はしっかりミステリ短編だったわけですし、どういう絡み方をするのか分からない限り根本的にはネタバレに当たらないと思います。一応伏せてはおくけど、読む前になんのことか知りたいと言う方にはこっそり教えますんで連絡下さいませ。

で、個人的にはアレと分かってた方が楽しめたような気もするんですが、まぁなんです、どのみち各章冒頭のお経風のナニとか、作中にちりばめられた店名、人名、章タイトルなどから、読みはじめればすぐ気が付いただろうなと言う気もしたりするのです。そういうあたり、アレマニアのための作品とも言えるかもしれません。実際僕はそう言う楽しみ方をしました。

がしかし。実はこれはやはりミステリ読者向けの作品なんではなかろうか、とも思います。もちろんガチガチのミステリファンが読後に本を放り投げたとか、百八つに引き裂いたとか、ショックのあまり出家したとか、作者の家に脅迫状を送ったとか、そういう話がミステリファンの間に流れているであろうことは容易に想像できる作品であり、結末なんですが。にもかかわらず、ミステリファン向けに書かれた小説と思ってしまうのは、「本格ミステリの脱構築を目指した云々」とかそういう小難しいマジメな意図とは全く別の意味で、軽々と、軽薄なぐらいに軽々と読者を裏切る、まさに人を食ったとしかいいようのない姿勢が、作中にちりばめられたマニアックなあれやこれに反応しない読者を想定しているのだとしか思えないからです。いってみればこれは、「怒られて、ぶん投げられて、脅迫状を送られて本望」という作品なのではないかと。

なので、「本格ミステリ原理主義者にはオススメしない」という評が多い中、私は敢えて、「本格ミステリ原理主義者必読」という評を与えておきたいと思います。その結果憤死しても責任はとりませんけど(笑)




黒い仏
殊能 将之

発売日 2004/01

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posted by けいりん at 12:01| Comment(0) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: 黒い仏 またなんか変なもんを読んでしまった。 中篇っていうかんじの本の厚さだったので、気軽に読み始めたんだが、 これがおかしなおかしな物語。 タモリがストーリーテラーとして出てきそうな奇妙な..
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