2004年07月06日

『からくりアンモラル』森奈津子

前に見かけたときは見送っていたんだけど、家に帰った後で「面白そうだったなあ」感がしみじみ高まっていき、結局ネットで購入。

エロSF作品集。エロだけどSF、というよりは、SFとエロが密接に関わりあっていて、どっちをとってもこの独特の世界は成立しない。表題作はロボットの存在を通して少女が自分のものとしての性に目覚める姿を描いた佳作で、もしこの相手がロボットでなかったならば、全く別の意味を持った作品になってしまうのではないか。

自己愛あり、異種間性愛あり、SMありとバラエティに富んだ作品群は、一方でタイムトラベルやロボット、マイノリティとしての亜人間などのSF的なテーマにおいても多様性に飛んでおり、それらが絡み合うことで性の常識は相対化され、超克される。そういったテーマ性の部分、性における意識の変容を促す部分こそが、この作品集の最もSFらしい部分かもしれない。そしてたぶんその「相対化」を可能にしているのは、女性としての視点……「男たちの欲望の対象」としてではなく、自ら性に目覚めた女性としての、そして「ペニスがない性」ではなく「ヴァギナをもつ性」としての視点であるように思う。

「いなくなった猫の話」はわりと万人向けかも。エロくないけど、泣ける。




からくりアンモラル
森 奈津子

発売日 2004/04/23

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posted by けいりん at 15:07| Comment(0) | TrackBack(1) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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