2004年08月03日

『ゲド戦記外伝』

なんてこった、感想書いてなかったじゃん。

というわけで。原書では第5巻『アースシーの風』より前に発売されていたという、ゲド戦記の外伝。5編の短編は、どれもアースシーをより身近に感じさせてくれる。ロークの歴史に関わる『カワウソ』は、第4巻『帰還』が出た当時一部の古くからのファンに批判されたフェミニズム臭があるが、物語の豊穣さはむしろアースシーへ世界への新たな興味をかき立ててページを読む手を休ませない。『ダークローズとダイヤモンド』も、どこかしら『帰還』でのゲドとテナーを思わせるロマンス短編でありながら、爽やかな嫌みのない展開に、素直に読み進んでしまう。
『地の骨』『湿原で』は、「それでもフェミニズム臭が気になる」というファンも満足させる、感涙ものの2編。
そして『トンボ』。実はこの作品、先にこのアンソロジーに単独で収録、訳出されているのだけど、私は読んでいなかった。今回読んでみて、「『アースシーの風』の前に読んでおくんだった!」実際、このあと『アースシーの風』を読み直したのだけど、初読のときは充分満足したにもかかわらず、『トンボ』の後で読んだ方が何倍もリアリティと深みがまして感じられた。
まだどっちも読んでない人はラッキーです、ホント。

ファンタジーについて熱く語られた著者による前書きや、感慨がひしひしとつたわってくる訳者によるあとがきもすばらしい。
隅から隅まで、ファン必読といえる一冊。


ゲド戦記外伝
アーシュラ・K・ル=グウィン, 清水 真砂子, Ursula K. Le Guin

発売日 2004/05/28
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posted by けいりん at 15:24| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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