2005年10月11日

出産と子育て

「子どもを産まないと、子どもを育てないと女性として一人前とは言えない」みたいなことを言う人がいるけど。

それじゃあ何か?
病気で子どもが作れない人はどうあがいても未熟なままか?
適切なパートナーが見つからない人は、行きずりの相手とでも子どもを作るべきか?

まあ実は理屈の上ではそんなことは些細なことであって、最も深い問題は「女性として一人前」っていう安易な言い方のほうにあるとは思うのだけれど、現実に目を向けた時、確実に何割かいるはずの上記のような女性たちに全く配慮しない物言いには、憤りを覚えずにはいられない。

だってそうでしょ?
「右手が動かなければ人間とは言えない」なんて誰も言わないでしょ?
「一定以上のIQを持たなければ人間とは言えない」なんてナチの発想でしょ?
世界中にいる、貧困などのせいで充分な教育を受ける機会を持てなかった人たちに、「字も書けないなんて人間として一人前とは言えないね」なんて言う気になりますか?

もちろん僕は極端なことを言っている。
極端すぎて同じ例には見えないかもしれない。
でも同じだ。器質的な障害のために何かができない人や、環境のために何かを得る機会を失った人を、実体はよく分からないけれども何となく価値があるように見え、かつ他の人にとっては手にすることが難しくない地位から、なんの配慮もなくスポイルしてしまうと言う点において、これらは全く同じことなのだ。

誰も傷付かない発言なんかできない。
でも、この程度の配慮はあっていいんじゃないの?
しかも、この発言には、「出産した女の歪んだ優越感」みたいな物が透けて見える気がするんだよなあ。
もちろん、出産と言うのは大仕事だよ?
僕も立ち会ったから、それはよく分かってる。
子ども産んだ女性はそのことを誇りにしていいと思うよ。
充分にその価値はある。
けれども、それが子どもを産めない/産まない女性への蔑視へとつながるなら、そんな物は誇りでもなんでもない、「歪んだ優越感」以外の何者でもないと思う。
「心の奥底ではむしろ劣等感を感じてるんじゃないの?」と勘ぐりたくもなる。

アンチフェミニストみたいな人なら、「我々が攻撃したいのはそういう人たちではなく、出産することをまるで悪い事であるかのように主張するバカフェミニストのほうだ」というようなことを言うかもしれない。まあ主張の是非は長くなるから次の機会に譲るとして、単純な事実を指摘しておくと、フェミニストの多くは「女性が出産すること」を否定してはいないと思う。そもそも、以前どこかで書いたけど、フェミニズムにもいろんな党派があって、一部は激しく対立しているていう背景を知らずにこういう事を言うアンチが多すぎる。

これも前に書いたけど、僕はフェミニストじゃないよ。
「〜イズム」を信奉するほど生真面目な人間ではないので。
posted by けいりん at 15:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 恋愛、性、性差 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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